真空でできることって何がありますか?
真空にすることで圧力差が発生します。
圧力差が発生することで、物を吸引・吸着することができます。
吸引できる
差圧が発生することで、気体の流れが発生して吸引することができます。健康診断などで採決を行います。この時に採血管というものを使っていますが、この採血管の中身が真空になっています。採血管の内部が真空になっていることで、血液を効率的に採取できます。
デスクトップPCのマザーボード、スマートフォンの基板にはたくさんの電子部品がはんだで固定されています。これらの小さい部品は人が手で載せているのでしょうか? 実はマウンターという装置で小さい部品を1個づつ基板に載せています。この時に電子部品を真空で吸着して基板に載せています。
どうして、真空で吸着しているのですか?
ピンセットみたいなものでつまんでもいいと思います。
ピンセットでつまむ場合、つまむための力の設定、つまむための機構を設計しなければいけません。真空ならば力の設定やつまむための機構の設計は不要になり構成を簡素化することができます。
気体の流れが発生する
水は高いところから低いところに流れます。同様に気体分子も圧力の高いところから圧力の低いところに流れます。私たちの生活する環境は1気圧と説明していますが、実は1気圧よりもちょっとだけ圧力が高い場所があったり、1気圧よりもちょっとだけ圧力が低い場所があったりします。台風の中心は1気圧よりもちょっとだけ低い圧力です。気体は高い圧力から低い圧力に移動します。台風が接近すると風が強くなるのは圧力差によって気体が移動するためです。
吸引の事例 真空成型
樹脂製のスーツケース、自動車のダッシュボード、プラスチックのトレーなどは真空成型という技術を用いて製作されています。プラスチックを温めて柔らかくした状態で、金型に押し付けると同時に真空排気します。真空排気することによって、大気圧と真空で圧力差が発生して、プラスチックが金型に密着します。密着することで精度の良い製品を作ることができます。