真空ポンプ

油回転真空ポンプ

真空の学校

油回転真空ポンプは一番使用されている真空ポンプです。

油回転真空ポンプはロータリーポンプとも呼ばれています。構造から大きく3つに分類されます。

  • 回転翼型油回転真空ポンプ
  • カム型油回転真空ポンプ
  • 揺動ピストン型油回転真空ポンプ

上記の3つの構造については別の投稿で詳しく説明します。共通する内容としは動力は主にモーターであり、作動油が必要になります。

油回転真空ポンプの注意点

油回転真空ポンプはウェットポンプになります。作動油(真空ポンプ油)を使用します。原理上、排気口からオイルミストが排出されるので、油回転真空ポンプとセットでオイルミストトラップが必要になります。また、吸気口から油蒸気が真空容器へ還流することがあるために、還流を嫌う場合にはフォアライントラップを取り付けるか、油回転真空ポンプではなくドライ真空ポンプを使用する事になります。

真空ポンプ油の管理

油回転真空ポンプにおける真空ポンプ油の役割は密閉だけでなく、異物の除去・ポンプの冷却・摩耗や摩擦の軽減などの役割があります。一つでも欠けてしまうと油回転真空ポンプの性能を発揮できません。

油回転真空ポンプを長く、性能を維持して使用するためには、真空ポンプ油の管理が必要です。管理の指標として色と量があります。


油回転真空ポンプの性質上、真空ポンプ油は少しづつ排気口から排出されます。その為に真空ポンプ油の量の管理を行うことが重要です。


次に重要なのが真空ポンプ油の色です。空気と混ざることによって、真空ポンプ油は少なからず酸化します。真空ポンプ油は酸化すると黒くなり、粘度が硬くなります。粘度が硬くなった真空ポンプ油は摩耗・摩擦の軽減ができなくなり、焼き付きの危険性が高くなります。

真空ポンプ油は使用する油回転真空ポンプ毎に使用する種類が指定されています。指定された真空ポンプ油を使用するようにしましょう。また、寒い地方の厳冬期の場合、真空ポンプ油が冷えて、指定の粘度より高くなってしまい、油回転真空ポンプが起動困難になる場合があります。その場合には指定する粘度より低い真空ポンプ油を使用する事をお勧めします。

真空ポンプ油を適正に管理することによって、油回転真空ポンプを性能を維持しつつ、長く使用する事が可能です。
真空ポンプ油は量と色で管理しましょう。

油回転真空ポンプの消耗品

油回転真空ポンプの消耗品は以下になります。

  • 真空ポンプ油
  • 排気弁
  • オイルミストトラップのエレメント

上記の消耗品については必要数を常に持つようにしましょう。
あと、真空ポンプ油で摩耗・摩擦の低減を行っていますが、ベーンやオイルシールなども消耗品です。定期的にメンテナンスを実施するようにしましょう。